
タリスカー 1957 32年 53.3%
ゴードン&マクファイル
好みポイント:8.5
カラー:濃い琥珀色
香り
ニュートラルな立ち上がり、陶酔感を伴うメープル様のシェリーノート、芳醇な黒葡萄、ミント、穏やかなスモーク、高級なビターチョコ、オランジェット、アンティークチェア、ローストナッツ
グラスアロマはブランデー漬けのレーズンとメープル
味わい
パワフルなアタック、ややドライ、香り同様のシェリーフレーバーと黒葡萄果汁、太いが穏やかなウッディネス、後から姿を現す潮気と土っぽいピート、余韻はややヨーディなスモーク、余韻の長さは中程度、フルボディ
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ゴードン&マクファイルより1980年代にリリースされた1957年ヴィンテージのタリスカーです。
伝えてくれと言われた気がしました。
トップは、時代を感じるメープル様&爽やか系ハーバルの強烈なオールドシェリーノートが立ち上がり、追って芳醇な黒葡萄やジューシーさもあるオレンジ、柔らかくこなれたスモーク等の香りが開きます。
香りだけで骨抜きにされたわけですが、飲んでみると、香り同様のニュアンスに潮気と土っぽさを感じるピーティなフレーバーもキャッチできました。
しかし、うっとりするリッチな甘やかさがある一方、口に含むと溌剌としたアルコール感とドライなニュアンスもありました。
その理由を推察するに、ボトリングから40年近く経過していることに加え、写真の通り瓶底が近づいていたことから、香味が天に召されつつあるのだと思います。
これが、香味だけの評価である好みポイントが感動域に届かなかった要因であるものの、このニュアンスが渇いた叫びのように聞こえたのです。
俺を感じろ。このまま黙って消えたくない。どうか忘れないでくれ。
そう語りかけられた気がしました。
このドライさはきっと、死に近づいている証拠だと思います。
短くなった蝋燭が火を強めるような、最後の咆哮だったのです。
私もタリスカーと同じです。
怖いんです。
このまま何も残らずに死ぬことが、生きていたことがなかったかのように死ぬことが、一人だけ切り離される寂しさが、怖くて仕方がないのです。
先日ブログを立ち上げました。
このメッセージを残さねばなりません。
数百年、数千年先の誰かに、タリスカーの存在証明の叫びが届くことを願うばかりです。