8.0 シークレット ラフロイグ

キルブライド 1993-2022 28年 49.2% The Mash Tun Tokyo × The Maltcask Bottled By The Whiskyfind

キルブライド 1993-2022 28年 49.2%
シェリーカスク O/T298
The Mash Tun Tokyo × The Maltcask Bottled By The Whiskyfind

好みポイント:8.0

カラー:曇った濃い琥珀色

香り
やや重ための立ち上がり、ヒュミドールを開けて鼻先を掠める風(葉巻とタバコの葉)、腐葉土、鰹出汁、こなれたヨード&スモーク、柔らかいシェリー香、凝縮した葡萄果汁、プルーン、ややメープル、朽ちたウッディネス
グラスアロマはバーベキューソース

味わい
トロッとオイリーな粘性のあるテクスチャー、アタックは柔らかい、鰹出汁、葉巻とタバコ、枯れたハーブ、こなれたヨード&スモーク、凝縮した葡萄果汁、鼻抜けはこなれたスモークとシェリーフレーバー、余韻は妖艶なシェリーとタバコのハーモニー、やや出汁、余韻はとても長い、フルボディ

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全身、枯れていないところなどないのだが、目だけは別だった。

老人の目は海と同じ色をしていた。生き生きとしていて、まだ挫けてはいなかった。

(老人と海 / アーネスト・ヘミングウェイ)

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ウイスキーファインドより、東京のザ・マッシュタンと香港のザ・モルトカスク向けとしてリリースされた1993年ヴィンテージのキルブライド。中身はラフロイグ想定です。

皮膚は人生の苦さと長い時間で枯れつつも、奥に潜む水晶のような心の中には煌びやかな炎がジリジリと燃えていました。

全体的な雰囲気としては、艶やかなシェリーに煙草や枯れ葉、出汁感などの要素が大変柔らかくこなれつつ、素晴らしいバランスで調和しており、非常に複雑な香味が渾然一体としていました。

以下、とりわけ特徴的だった香味に絞って触れていきます。

ピート由来の香味はウッディネスと溶けあっている印象で、ただのスモーキーに収まらず、私が特に好む葉巻や煙草、枯れ葉などの枯れ感を伴うニュアンスがあり、長い熟成によって円やかになりながらも、まだ煙をあげて燻っていました。

フレッシュでない大人の苦さ。また甘さ。
官能的な深紫のランジェリーを思わせるシェリーフレーバーもあって、セックスの後にタバコをふかしているような気分になります。

シェリー感については、前述の通り妖艶な雰囲気に加え、ぼんやり「シェリー由来の甘さ」として感じるのではなく、具体的なフルーツが脳裏に投影されるほど繊細でした。

また、飲んでみると口当たりはとても柔らかいですが、味わいは非常に充実しておりボディは厚いです。

ボトルの残量はほぼ瓶底だったものの、味わいの豊かさに加え、濃厚で強烈な個性が封じ込められたボトルだったこともあり、経年変化の具合としては良いタイミングだったのではないかと思ったところです。

この素晴らしいウイスキーの内側で舞い上がった火の粉が、確かに私の眼を通して、心に燃え移りました。

これから年老いて身体は枯れていくものの、衰えを知らない美しい炎を心に灯しながら、人生を謳歌していきたいと思いました。

-8.0, シークレット, ラフロイグ